松戸クリニック  院長 丸山 博 

コンセプト

「医師とご両親がそれぞれの長所を活かして

指導のチームを作り、子どもに当たる」

診療対象:心身障害医療。特にてんかん、脳性小児麻痺、

知的障害や自閉症、小児糖尿病の治療

略歴

東京大学医学部卒業

医師国家試験合格

東京大学大学院終了、医学博士号取得

あゆみ

東京大学医学部小児科学教室入局

東大附属病院小児科に精神外来、糖尿病専門外来開設

1963年(S38年)松戸クリニックを開設(EEG専門)

           小児糖尿病サマーキャンプを開始(日本初)

           東京都立大塚病院医員

1964年(S39年)日本肢体不自由児協会整肢療護園小児科医長就任

つぼみの会発足

1967年(S42年)松戸市心身障害児就学指導委員会委員の委嘱

1968年(S43年)日本肢体不自由児協会整肢療護園退職

           松戸クリニック院長就任

東京女子医科大学小児科非常勤講師

1973年(S48年)「小児のけいれん治療のためのケトン食手引き」出版

1978年(S53年)松戸クリニック分室の開設

1988年(平成元年)医療法人社団わかば会設立、理事長就任

1996年(H 8年)東京女子医科大学小児科非常勤講師退職

2000年(H12年)特定非営利活動法人小児特定疾患療育会を設立 

理事長に就任

2007年(H19年)日本糖尿病学会 「坂口賞」 受賞

松戸市就学指導委員辞任 「松戸市教育功労者表彰」

2008年(H20年)「糖尿病療養指導鈴木万平賞」 受賞

2009年(H21年)「ケトン食の本、奇跡の食事療法」出版

2011年(H23年)日本精神神経学会専門医指導医(H23〜28年)

2012年(H24年)小児糖尿病サマーキャンプ50周年を祝う

日本てんかん協会 「木村太郎記念賞」 受賞


2 0 1 4 年 (H 2 6 年 )  「 保 健 文 化 賞 」 受 賞




自閉症 

 

てんかん

てんかんは誰もが知っているようで、なかなか分かりにくいものです。倒れて大きく突っ張っていれば、てんかんと思うでしょうが、てんかんでないものも多いのです。逆に吐きけしがしたり、おなかが痛くなったり、急にわけのわからない行動をしたりするのはなかなかてんかんとは気づきません。てんかんの特徴は多くは理由もないのに突然起こる現象です。

てんかんの診断には脳波検査が行われますが、てんかんでないのにてんかん脳波がみられたり、てんかんなのにてんかん脳波がないこともあります。しかし、てんかんとてんかん脳波には深い関係があります。人間はみなてんかん発作を起こす性質を持っています。電気ショックをかけたり、けいれんを誘発する薬を注射すると、全身けいれんすら起こすことができます。ではなぜてんかん発作が起こったり、同じようにしていても起らなかったりするのかはまだ十分にわかっていません。

 てんかんを治療する必要がある場合その理由、すべてのてんかんに治療が必要なわけではありません。治療が必要なのは、発作によって死んだり、大けがをしたりすること。ついで発作が起きたり、繰り返したりすると脳が壊れて知的障害や身体障害を起こすこと、体の具合が悪くなる、学習の妨げになる、仕事場などでのハンデイキャップになる、一つの発作が次の発作の原因になる、病気を持っていると一段低くみられるなどです。

治療の必要性の有無を考え、治療が必要ならそのひとのてんかん発作に対して、最適の治療をめざすのですが、その治療の大部分は薬物内服療法です。注射療法や座薬療法もあり、食事療法、さらには外科的療法もあります。これらの判断や実施はすぐれたてんかん医によるもので、その実行は医師と本人との協力です。てんかんの薬物療法はとても厳格なもので、その効き目は採血して、薬剤の血中濃度を測定しながら判定してゆきます。1日の量、飲む時間、食事との関係もきちんとしなければなりません。飲み忘れなどはもってのほかです。

 もし、薬を飲み忘れて発作を起こしたとすると、もう以前の薬をまた飲めばよいというわけにはゆきません。服薬量を増やす必要が生じます。これはてんかんの燃え上がり効果によるものです。また最近では発作を起こすと、発作の種類によってはその後2年間は自動車を運転することができなくなります。

 私たちの扱う子供のてんかんの大部分は良性のもので、成長に伴って消えてゆきます。たとえば、単純性熱性けいれんや小児の良性部分てんかん、(ローランド回てんかん)などがこれに当たります。このような良性のてんかんで治療を受けている人は多分ここには来ていないでしょう。

 てんかん治療で問題になるのは難治てんかんでしょう。大きく分けて2種類あります。そのひとつは症候性てんかんと言って元々脳にいろいろな障害を持っているものです。たとえば、結節性硬化症などのいわゆる神経皮膚症候群といわれているもの、滑脳症などの脳の形成異常、周生期に起こる病気による脳性まひ、脳出血、脳梗塞、脳外傷、脳炎などによる脳神経の破壊、などはもともと知的障害や身体障害を持っているうえにさらに難治なてんかんを持つことが多いものです。またもう一つはもともと難治なてんかんで知られている症候群があります。代表的なものはウエスト症候群、ドラべ症候群及びレンノクス・ガストー症候群です。これらは一括して年齢依存性てんかん性脳障害とよばれています。

 最近はこれら難治なてんかんに有効な抗てんかん薬と称するものが開発されていますが、それなりに効果はあるのですが、発作をなくすところまでには至っておりません。

 もう一つのてんかんの原因は脳の廃用性萎縮によるてんかんです。たとえば全盲児は脳の視覚領を使うことはできませんから、どうしても後頭葉視覚領の萎縮が起こります。そのため全盲者のほとんどに後頭葉てんかんを生じます。

脳波検査をすると後頭部にてんかん波が出るので分かりますが、発作自体は外から見てわかりませんので、気が付かないことが多いものです。このような廃用性萎縮によるてんかんは自閉症によくみられます。そのほかの障害でもこのようなことは起こり得るので、ほかにもたくさんあるものと思います。

 難治なてんかんの場合、うまく抗てんかん薬の使用に発作が止まるとよいのですが、止まらない場合もあります。そのときには、てんかん発作による害や日常生活上の不自由と抗てんかん薬による眠気やふらつきなどの有害作用とのバランスをとりながら治療してゆくことになります。これはほかの障害とも同様なことで、すべてのてんかんが治療で止まり、障害がなくなるというわけではありません。てんかん発作とともにくらすというかたちになります。

発作による怪我がないようにしながら、学習し、運動し、できれば会社に勤務したり、作業所に通ったりします。

 食事療法、主としてケトン食療法のことを指します。昭和42年私がケトン食の手引きを出版して、可能なようにしたのですがあまり使われませんでした。しかし病院などでは細々と行われていました。最近また機運があがってきたので新しく「ケトン食・奇跡の食事療法」を共同執筆で出版しました。

 

ダウン症候群

皆さんよくご存じのように染色体異常症‐トリソミー21によるものです。なぜ症状が出るのか、いろいろの説があります。生まれてすぐには、先天性の心臓疾患、十二指腸閉鎖、鎖肛などのチェックと必要な治療、哺乳の問題、2−3才では歩行や言語機能の評価、3−4歳では頸骨脱臼の検診、6−7才では足関節特に扁平足の有無、青年期には甲状腺機能、高尿酸血症の有無を知るための血液検査、成人になってからは時には血液検査を行って白血病の発生がないかどうかをチェックするなどです。ダウン症候群の人の指導法も、自閉症とは全く成り立ちは違いますが、同じと思っていてよいでしょう。

    


      ケトン食の手引きの作成について

 ケトン食はてんかん治療の食事です。最近はGlut‐1欠損症や脳腫瘍の治療としても注目を浴びています。

 1921年ごろからおこなわれるようになったとのことですが、抗てんかん薬との競争に負けがちで時々流行的に行われるのですが、すぐに廃れてしまうことを繰り返していました。でも難治なてんかんにはよく効くので試してみたいと思っていたのですが、日本語の本がなくて、したがって日本食では作りにくくて困っていました。

 幸い佐野倫子栄養士にめぐり会い、73年に本を作りました。『てんかん治療のためのケトン食の手引き』(第一出版)です。この本は和光堂からケトミールというケトン食用粉乳が出てから77年に第2版をつくり再版しました。
 今では明治乳業からケトンフォーミュラと言う名前で製造されています。これもやがてあまり使われなくなり本も絶版になっていたのですが、03年中蔦弘行氏が子息のウェスト症候群治療がうまくいかず悩んでいたところ私のケトン食の手引きに出会い、地元の栄養士さんの協力で実行したところ発作が止まりました。

 これが機運で再度本を作ろうと言うことになり、松戸クリニック、静岡てんかんセンターおよび中蔦氏、岡崎栄養士の協力によって『ケトン食の本−奇跡の食事療法』ができました。今年の日本てんかん学会ではケトン食療法のセッションが組まれ、コソフ氏がこの本の紹介をしてくれました。大げさな題名ですがこれは以前NHKで放映されたケトン食でてんかんがよくなった少年チャーリー君の番組の名前を貰いました。



   


             
                        
    
 自閉症 一体何なの、どうしたらよいの
                        
丸山 博 (2020.12.25)

まえがき

自閉症 最近では自閉症スペクトラム障害などと呼ばれています。こういわれても何やら訳が分からないでしょう。自閉症といえば近くにそういう子を見かけたことがあるけれど、おうちの中に閉じこもっているわけでもないし、少し変わっているけれど、知恵が遅れているみたいだったりしている。おまけにスペクトルですって?色か何かついているのかしら。

まことに困った名前ですが、これには歴史のあることで、これからは理解していただかなければなりません。

  以下は私なりの説明です。

自閉症というのは、主として脳の働きの異常で未知の原因によるものです。本当は全身の異常なのですが、特に脳機能に問題があります。

幼児期にはことばが遅れていることが多く、成長するに従い対人関係がうまくゆかなくなることが目立ちます。

これまでに主として小児精神科医と成人を対象とする精神科医が対応してきたために、自閉症が精神の面からとらえられてきたために、実態がわからず、

ちょうど盲人が象をなでて、柱だとか壁だとか言っているのに似ています。

自閉症は心の病気ではありません。脳の作られ方と働きの異常と思われます。

 現在の時点ではまだ自閉症の根本的な問題点はわかっていません。

これからは身体や脳機能の面から研究が進んでゆき、実態が解明され、やがては解明されて、治療や対策も科学的な方法がとられてゆくことになりましょう。

この本を書いたのは現在の自閉症児者、特に小児の指導に混乱があり、ときには見当違いな指導が行われたり、困った扱いを受けたりするのではないか(そういうことがないように祈っていますが)と思うからです。

また逆に自閉症という現在では、まだ障害である子どもに本来不可能な進歩を

望んで、無理な教育をしたり期待したりしてはいないでしょうか?。

まず本人への適切な教育、その子の持っている能力をうまく引き出してやること(これは大変な努力のいることですが大切なことです)とそれぞれの子の教育の限界を推定すること、それと逆方向から見て自閉症者の持っている社会での生きにくさを軽減してやることも大切です。

 自閉症者が単なる厄介者でなく、その人なりの輝きをもって生きてくれることを願っています。

また自閉症者を社会に受け入れて、それぞれ人によって生き方は違ってよいと

思います。硬直した考え方に偏らないようにすることが大切です。

 

初めて自閉症を見出したのはアメリカの児童精神科医のレオ・カナーです。彼は193年に知的障害児のなかに言葉が特に遅れていたり、奇妙な行動をとるものがいることを見出して、早期乳児自閉症(early infantile autism)と名付けました。

1年ほど遅れてオーストリアの精神科医ハンス・アスペルガーが自閉的精神病質(autistische psychopathie)と名付けた数人の子供を報告、その奇妙な思考法や行動を明らかにしました。これらの子供たちは重い知的障害はありませんでした。

1981年イギリスの精神科医ローナ・ウイング(娘さんが自閉症です)がカナーの自閉症とアスペルガーの自閉的精神病質を同じ疾患に属するものとして両者を合わせ、おそらくそのような経緯を踏まえてDSM-V(世界的に権威のある精神疾患の診断と分類法)では機能の低いものも、高いものもあって幅が広いことから、自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)と名付けました。

つまり非常に障害の強いものも、一見軽く見えるものも一連の障害であるとしたわけです。

しかし、なぜこの障害に対し統合失調症の症状の一つである自閉症状の名前をつけたのかは私にはわかりません。

 また、今でもこの名前を冠していて、それが自閉症の人たちの対策や治療に影響を与えていることに対して私は大変疑問を持っています。

自閉症は全身の異常と思われます。自閉症は単純に脳や精神の病気と思われますが、そう簡単なものではありません。

私も最近まで気づかなかったのですが、アスペルガー症候群の中には、体形がすらりとして手指が長い人がよくみられることに気づきました。このことはマルファン症候群という身体異常によくみられる症状なので、脊柱を見てみました。そして脊柱側弯が自閉症の人に必発であることに気づきました。あまりマルファン症候群に似ていない人でも脊柱側弯は必発なのです。多くは後ろから見て逆S型で、胸椎の屈曲がほぼ10度でした。

 次いで症状の重い自閉症の人は頭が大きいことにも気づきました。

頭囲は幼児期からやや大きいのですが成長とともに次第に大きくなり、重い自閉症ですと男児ですと平均の55pを超えて58-62p位になります。女性でも平均の54pを超えて55-60cmになります。

そこで気づいたのは、自閉症スペクトラム障害の人は脳や骨格あるいはその他

の組織の成長に異常があるのではないかということでした。

考えてみれば人間の体の組織は常に変化しています。一つの細胞が一生、体の一部になっていることなど考えられません。常に入れ替えが起きてそれで何十年も生きながらえています。

そのメカニズムはある程度分かっています。それはアポトーシス(apoptosis)という名前で知られている現象です。それは木の葉が枯れ落ちるさまを表現しています。腐るのではありません。次の葉が出ることを予期しているのです。

生き物の体は常に入れ替わりながら成長し生き延びてゆきます。

アポトーシスが目に見える実態としては、手指の形成があります、胎児期には手はお椀状になっていますが、ある時期が来ると指骨の周囲を除いて組織が一斉に崩れて指が分かれて作られます。また四肢の骨が成長してゆくのも骨が破壊される作業と芽吹いて新生する作業が組み合わさって伸びてゆくのです。

脳でも何かしら同様の機序が働いていると思います。ただそれが脳の中の神経細胞なのか、グリア細胞あるいは血管を形成する細胞なのかはわかりません。

これからの研究課題です。

アポトーシスには2種類あると私は考えています。

一つは能動的アポトーシス(active apoptosis)でこれによって生物の活動は盛んになります。成長期がそれにあたります。

もう一つは受動的アポトーシス(passive apoptosis)で生物の機能はこれによって次第に衰えてゆきます。老化現象がそれでしょう。

脳細胞群のアポトーシスは、場所によって違いがあるようです。人の脳髄の進化による発達の段階によって脆弱性が異なるようです。大脳の両脇にある運動神経細胞は入れ替わりが順調のようですが、前頭部の細胞の入れ替わりは大変困難なようです。つまり自閉症の人は前頭葉機能の発達が非常に遅くかつ不十分である可能性が強いのです。言葉の意味が単純にしか考えられないとか、相手の気持ちまで思いが及ばないとかいうことになります。

 もし脳細胞のアポトーシスがうまくいっていないとしたら、脳細胞の過剰が起きるでしょう。頭が大きくなるだけではなく、当然働きの異常も出てきます。

おそらく頭の中は過剰で機能不全な神経細胞がいっぱいになっていると思います。たとえて言えば頭の中はジャングル状態にあるということです。

ジャングルの中にいる個体は何をどうすべきかわからないでしょう。呆然と心               

細く立ちすくんでいるのだと思います。

このような気の毒な状態に対してどのように対応してゆけばよいでしょうか。

それはこれからの問題です。後で触れることにいたします。

 

  自閉症にみられるその他の症状、前章で述べた脊柱側弯と大頭症のほかの特徴について。

 「早期の発達の特徴」

「言葉の発達の著しい遅れ」

これは療育者や医師が早期に気づくことですが、言葉が遅いということです。

重い自閉症では一生言葉が出ませんし、知能が平均より高い高機能自閉症でも始語が遅れます。人によっては言葉の折れ線現象(set back)といいますが、これは受け止めた言葉をそのまま反響語は早く出たが、意味を問われると出ていないということで、早く出るのは言葉ではありません。いわれた言葉を反射的に口から出していることで、大体意味のある言葉を言うようになるのは4歳前後です、

 「まなざしの異常」

普通児では、生まれると間もなく視線は固定しあたかも何かを睨んでいるような感じになり、3か月にもなると、特に人の顔を凝視し、あたかも人の表情を分析しているように睨んでいて目を離しません。

ところが自閉症児では何となく人の顔を見ていて、すぐに目をそらせます。

 「表情」

普通児では表情の変化が大きく、泣いたり笑ったりがすぐに出てくるのが普通ですが、自閉症児では幼児期には表情の変化が少なく、すましているように見えたりします。そのため時には高貴な印象を受けることがあります。

 「競争心がない」

走らせても、ほかの子に抜かれても気にしない。負けて悔しいという意識に乏しい。

 「てんかん発作と脳波異常」

自閉症の人にはてんかん発作を起こす人が多いことは、多くの人によって指摘されています。乳児期から就学前にかけては、たまに全身けいれんを起こすことがあるのですが、もっとも多いのは、青年期発作の大部分を占める前頭葉発作でてんかん発作の起始が前頭葉にあります。その症状は無動発作です。何かしている最中にふと意識を失い、動作が停止します。数秒間のことが多いので気づかずよくわからないまますませてしまうことが多いです。1日に何回も起こりやすいものです。気づくのは食事中などが多いです。こういう発作は多分自閉症児の

半数近くに生じているのではないかと思います。

全身けいれんはそれほど多いわけではありませんが、続発性全般発作と言って、前頭部に始まったてんかん性放電が、脳の中心部に及んでそこから全身に広がるものです。

脳波検査をすると自閉症児の脳波の基礎リズムは略正常で非自閉症児と比べてあまり変化はなく、非常に知的に遅れている自閉症児でも脳波の背景波は略正常(年齢が上がってくると前頭部に徐波が出てくるようになります)で、そこがほかの知的障碍児と異なる点ですが、青年期になると左右あるいは両側前頭部にてんかん性波形であるスパイクや鋭波の出現を見るようになります。脳波異常がなくても発作が起きていることがありますが、これは脳波検査に限界があるからで、前頭葉の深いところにてんかん焦点があると、通常の脳波検査では見いだせないこともあるからです。

・てんかん性異常の治療

治療としては、抗てんかん薬の内服ですが、あまり軽い発作の場合は投薬せずに定期的脳波検査だけで経過を見ることがあります。

全身けいれんやあまりたびたびの動作停止発作があるときには治療が必要です。

治療が必要とされたとき、通常使われるのはバルプロ酸Na、レベチラセタム、ラモトリジンなどですが、比較的に少量で有効なことが多いものです。

・頭のMRI所見

自閉症者は頭が大きいので、何が大きいのかMRI検査で調べてみました。

一見したところ、特に異常はありませんでした。無理に解釈してみますと、脳灰白質(神経細胞が集まっているところ)はやや大きく、脳白質(神経線維が集まっているところ)はやや狭いように見えました。また両側前頭葉の部分の白質の部分が未発達のように見えました。このMRI所見はまだよくわかりませんのでこれからの課題としておきたいと思います

・知能検査成績

知能(発達)検査にはいろいろのものがあります。日本では乳幼児期では遠城寺式乳幼児分析的発達検査やK式発達テストなどがあり、療育手帳(愛の手帳)などの発給の際に使われるのは田中ビネー検査Xです、病院の心理部などで使われるのはWISC−W検査、あるいは成人ではWAIS-V検査です。自閉症者に対して知能検査を行うと、知的に極端に低いものでは、測定不能のものもありますし、逆に知能指数(IQ)130に達するものもいます。なおIQ=100が平均値です。

知能指数は障害のない人では年齢によってあまり変わりありませんが、自閉症の子どもでは年齢とともにIQが上昇する人がかなりあります。たとえば5歳で60、小学校12年生で100、小学6年から中学生にかけて120などという高い値が得られることがよくみられます。

WISC検査は分析的検査で、4つの項目に分けて検査します。知能検査ができる程度の自閉症者で検査してみると、言語理解VCIと知覚推理PRIの項目が高くワーキングメモリーWMIと処理速度PSIの項目が低い傾向があります。

・現在の自閉症の診断基準

自閉症は国際連合(WHO)による国際疾患分類(ICD-10)では次のような定義で診断されます。

@   相互的な社会関係の質的な障害

A   コミュニケーションにおける質的な障害

B   情動的な行動、関心、活動がある

C   非特異的な問題として、恐怖、睡眠と摂食の障害、癇癪や攻撃性、自発性や概念の操作の欠如

が挙げられており、精神科領域では絶対的な権威を持っている。

 

・診断および統計による手引き(DSM-5)では

A

@   相互の対人的、情緒的関係の欠落

A   対人的相互反応で非言語コミュニケーション行動を用いることの欠陥

B   人間関係を発展させ、維持し、それを理解することの欠陥

B

@   情動性、同一保持固執、限定された興味、感覚過敏あるいは鈍感

が挙げられています。

以上の行動特質の特徴による診断は傾向診断であって、確かにそうだなあとは思いますが、それで病気にしてしまうのは、どうかなと思ってしまいます。

 

 自閉症は脳の機能障害を主徴とする全身の障害であると思います。

以上の定義に示された傾向や行動は機能障害を持つ個体が、ある構造社会(難しい言葉を使いましたが、たとえば過去の農村的日本社会とか、現在の日本のようなエレクトロニクス中心で、部落地域性を失った社会とかを意味しています)に接触しているときに発生するものであり、自閉症に限らず先天性脳奇形、脳炎のような脳破壊性病変などでも起きることです。

農村的共同社会では障害は目立たないし、障害児者への対応も難しくはありませんが、個別的拡散型社会では対応が難しく、対策も多岐にわたり、そのための

費用も大きくなります。現実の社会は拡散型社会ですが、こういう現状の中でこれからどのような対策をとってゆくのが障害児者にとって良いかをじっくりと考えねばなりません。

 

  自閉症への対応

自閉症の人の世界のとらえ方を知り、それを自閉症児者の指導や治療にどう生かしてゆくとよいのか。それが大切です。

しかし自閉症だからと言っても人はみな生まれも生い立ちも違い、一様な対策で解決するわけではありません。

生まれとは、遺伝的傾向のことです。もちろん自閉症が遺伝病だといっているわけではありません。しかし多少疑わしい点はありますが。

自閉症であるにしても、人はそれぞれの気質を持っています。多少親御さんの精神的気質をうけついでいて、興奮しやすい気質だとか、ずっしりしていてあまり動かないとか、人なつこいとか、人ぎらいだとか、音響過敏だとか、光線過敏だとか、いろいろの特質をもっているので、それを頭に入れて指導してゆかねばなりません。

 

  自閉症への指導の原理

これまで述べたように、自閉症の脳神経の状態は脳神経の機能不全状態です。

神経細胞などの細胞の過剰によると説明いたしましたが、それをたとえて言え

ば頭の中はジャングル状態であると例えられます。

普通の状態なら、下草を刈り,植林し、間伐をして、きれいな人工林を作るところですが、それが教育というか教化というか、そういうものですが、自閉症児では下草が茂り、苗木が下草に埋もれて見えず、巨木が伸びて天まで覆って、日も差さない状態を考えてみてください。もし貴方がその中に置かれたとしたらどう感じるでしょうか?多分呆然として何をすることもできないでしょう、次いで心細さが募ってくるでしょう。

しかし、自閉症児はその心細さをうまく表現することもできません。幼いうちは親に抱かれたり、人にあやされたりされるとよいのですが、抱かれても人にピッタリ寄り添うのが下手ですから、この子は抱かれるのが好きではないなどと誤解されてあまり抱かれなかったりしてしまいます。子供たちが遊んでいてもただ見ているだけで中に入ろうとしませんから、一緒に遊ぶのが嫌いなのだと決め付けられてしまいかねません。

しかし、自閉症児はもともと人が嫌いなのではありません。人がいないととても寂しいようです。ですからある年齢になると集団の中にいると安心するようで

す。しかし集団の中で他者から痛い思いをさせられる体験があると、警戒心が芽生え、それにうまく対処することができませんから、何かわからない行動をとりがちです。ことばがなかったり、表現ができないために大声を出したり、音をたてたりします。

自閉症児はやがて自分の存在を人に認めさせる術を考えます。それは自己顕示です、自己顕示の中で多いのは自傷です。

自傷はそれを無視すると次第にエスカレートする傾向があります。これでもかこれでもかと人に迫るのですが、周囲の人はなかなかそれに気づきません。手を抑えて自傷を止めても無駄です。手を離せばまた始めます。手を包帯で縛るなどの抑制をかけると自傷はできませんが、心に傷を与えることになるでしょう。

自閉症の幼児は集団の中に入ってゆき、交わることは難しいのですが、子羊のごとく多数の中で群れていると安定します。しかしそこから連れ出して家庭に戻ると寂しさが出てくるせいか、音をたてたりして、人を呼びつけます。それが自傷の形をとることが多いものです、止めようとすると喧嘩のようになり収拾がつかなくなります。本来寄り添ってやって身体的接触をすればよいのですが

怪我を恐れて闘争になり、子供の気持ちを荒れさせてしまうことが多いようです。

私が経験した中で、とても象徴的だったのは、ドーマン療法との関連です。自閉症を治療しようというので、フィラデルフィアにあるドーマン研究所に集団で渡米する団体があり、それに参加してその強力な治療法を受けて、こんなことができるようになりましたと言って、来院される方がありました。本当にこんなことはできないだろうというようなことまでできるといわれますので吃驚いたりしましたが、帰国後に次第に精神状態が異常となり、大暴れして収拾がつかなくなったという話を聞いたことがあります。研究所では起きてから寝るまでつききりで指導を受けるので安定しているのですが、帰国すればご家族もすべてを放棄して、つきっきりで指導に当たるわけにはゆかないので、密接な接触を求める子が荒れるのだと思います。

また私はある施設で隔離室を見たことがあります。その部屋は壁や扉だけでなく、天井まで破れていたのに驚きました。どうして天井が破れているかを聞きましたら、蹴飛ばしたのですと聞きまた驚きました。おそらく罰として入れられ

たのでしょうが、寂しくて、落ち着いていられず、荒れに荒れたのだと思いました。自閉症の子にとっては孤独は気が違うほど恐ろしいことなのだと後でわかりました。

自閉症児は子羊に似ています。群れを成していればして落ち着いていられる

のですが、1頭だけ集団からひきはなされると、不安になり泣きわめいたり、

暴れたりします。落ち着かせるには体をさすったり、軽くたたいてやったりすると落ち着くのではないでしょうか。

また、なにか仕事を与えて、それに夢中になっていれば気を取られて、不安は軽減するかもしれません。ただし夢中になれるような仕事は、うまく探すか、練習させて覚えてもらわなければなりません。

 自閉症の子の指導は松戸クリニック心理部門では行動療法を用いています。オペラント刺激を与えて、作業や学習を行わせ、強化子(レインフォーサー)(報酬)を用いてそれを固定化してゆく方法ですが、これを行うことにより不安を取り除いてゆこうとするもので、合理的な指導法と思います。

その中でオペラント刺激を自動的に与えると効果的です。たとえば時計を見

3時になったらあらかじめ決められた場所で作業や学習を行うもので、これはすでに以前からTEACCH法に用いられているものです。

どのような課題を固定してゆくかは各自閉症児の生まれ持った個性,親の好みや入手できる資源によって決めればよいと思います。いくつもの課題を与えてちょうどその子の気質に適合しているものが選ばれると思います。

 指導がうまくゆく場合もありますが、あまりうまくゆかないことが多いでしょう。一番多い失敗は指導の武器である強化子を自分で勝手に使われてしまうことです。

家の中にある食品を見つけ次第食べてしまうこともその一つで、これでは強化子としての食品はレインフォーサーとしての効力はなくなってしまいます。行動のコントロールがきかなくなってしまうばかりでなく、肥満や栄養障害をきたします。さらにそれから糖尿病やその他の代謝疾患や皮膚病や骨関節の異常やロコモ症候群と進んでゆき病院通いになってしまいます。

自閉症の人を家庭内での王様や女王様にしてはなりません。逆に親や指導者の言うことをよく聞いいて仕事をするようにしなければなりません。

強化子は食品に限りません。子供が好むものはすべて強化子になります。指導員が好きになって握手してもらうのも、短い時間だけ好きなことをさせてもらえるのも強化子になります。

年齢はありません。自閉症のことではありませんが、例えば普通の人が定年になってそれまでできなかった旅行をするのも、老人になって叙勲を受けるのも強化子です。

それによって自分の生活が豊かに感じられるようになります。

 強化子学習が可能になったら、いろいろなことをこころみたいものです。

洗濯ものたたみや、食器洗い、お掃除、などの家事ばかりでなく、歌―カラオケ、

楽器演奏、絵画、スポーツなどいろいろありますが、実際に熱中できるようにな 

るものはそれほど多くはありません。二つか三つくらいでしょうが、それによ

って、精神状態は落ち着いてきます。

 

・自閉症に対する薬物療法

 まだ多くの場合、自閉症児に対する指導はうまくゆかないことが多いので、親子ともに緊張が高まって、困るようになることが多いと思います。

自閉症ではなくても、もともと気分が高下する人(気分障害―躁うつ病)がいますが、自閉症児では対人関係で緊張が生まれますので、気分がたかまって躁うつ病のような状態になって困ることが多いと思います。

このような場合には気分障害の薬を使うことがあります。

また興奮して人や物に当たることがあります。このようなときには異常興奮を抑える薬があります。これらの精神安定剤は上手に使うと指導が上手くゆくようになることがあります。でも本当はそのような状態にならないように幼いうちから指導してゆくほうが望ましいと思います。

 また、薬物療法を行ったからと言って自閉症そのものが治るわけではありません。自閉症児が生きやすくなる一つの便法にすぎません。

激しい自傷があるとき、これを止めようとして、統合失調症の薬を使うことがありますが、自閉症の本質を見ないでただ自傷を収めようとしても効果がないことが多いものです。

効果がないので増量してゆくと、ぼんやりして寝ているような状態になってしまいます。そこから脱出するのはなかなか難しくまた期間がかかります。

 

 ・自閉症の身体的側面

前に挙げたように、自閉症者には脊柱が後ろから見て逆S型あるいは少数ですがS型に湾曲している人が殆どです。おそらくこれは骨格の弱さを表しているものと思います。おそらく筋力も低下しているのではないでしょうか。

このため重いものを背負ったり、両手に重いものを下げ持ったりすると脊椎に負担がかかり、側弯がひどくなる可能性があります。さらに中年以降になると腰痛が激しくなる可能性があります。どのくらいの荷重に耐えられるかはまだわかりませんが、現在の時点では合計10kg以下の荷重にとどめておいたほうが良いでしょう。

 また腹筋の弱さはそけいヘルニアとなって現れることが多いです。40-50歳代に起きることが多いようです。出現すれば手術が必要になります。最近では手術として腹腔鏡手術が行われることが多いでしょう

 

  自閉症のお子さんの育ちについて。

自閉症には重い障害から軽い障害までありますので、また自閉症児を取り巻く環境も全く違うので、それぞれのお子さんの様子は全く違うことが多いと思います。しかし、ある程度の方針はあると思います。

 

 ・行動コントロールの主権は誰にあるか

自閉症者には著しい肥満がみられることがあります。これは家庭内での主権を自閉症者に取られてしまっていることを表しています。普通は子供は何か行動を起こすときには周囲の状況をみて、行動するのですが、自閉症児では何かに気づくとすぐに実行します。たとえば冷蔵庫を開けて目についたものをすぐつかみ、食べてしまいます。このような行動は摂食に限りません。なんでも目につい。たものに飛びつき実行しようとします。行動を阻止されると興奮して騒ぎます。

このような行動は改めることができます。

実行可能な仕事を指示し、1仕業ごとに報酬を与えます。報酬は何回でも与えるので、なるべく少ないほうが良いのです、多くても少なくても効果に変わりはありません。例えばはじめは洗濯済みの衣類を1枚たたんだら一つ、例えばむ

ぎチョコ1粒、報酬による強化行動が確立されたら,2仕業ごとに、慣れてきたら3仕業ごとというように減らしてゆきますが、まったく報酬を抜いてしまうことはありません。こうして指導をする人間が主権を取り戻さねばなりません。

  指導の方針

指導をする場合にいくつかのことを考えねばならないでしょう。

はじめは役に立たなくても、指示に従いやすいことの学習がよいでしょう。さらに家事、身辺処理の技術、更に趣味に属するもの、などがあります。絵画、音楽、造形、スポーツなどで、その子にあったものをだんだん選択するようになります。

 指導がうまくゆかず、自閉症の子供や青年が荒れることがあります。

対応として、部屋や独房に閉じ込めることがあります。これまでに書いたことでお分かりと思いますが、このような手段はまさに破局的であると思います。

一人きりの部屋では、自閉症の子供は一人きりでは怖いでしょうし、居ても立っても居られないでしょう。破局的な現象が起きることは当然なことです。

あるところで、壊れかけた部屋をみせられたことがありますが、このようなことは、自閉症の青年のいるところではよく起こりがちのことです。対応は薬でありません。これを直すのはその子の安心を保証することです。

たとえば、声掛け、身体的接触―もっともこれは難しい仕事で、場合によっては叩かれたり、噛まれたりするかもしれません。被害を最小限にするような工夫が必要です。

・兄弟、姉妹の活用

兄弟姉妹は貴重な存在です。時々56才の女の子が巨大な兄を思うように動か

しているのを見ることがあります。これを父母が計画的に指導すればよい結果

が得られるでしょう。

 

  自閉症者の記憶能力について

自閉症の原因は神経組織のアポトーシスの異常であると想定して知的障害や情緒の異常を解説しましたが、他に神経機能の異常がないでしょうか、考えてみました。

特に高機能自閉症の人には非常に記憶の良い人がいることが言われています。

そこで気づいたのは、脳神経の記憶保持機能についてです。おそらく記憶はシナプスや神経細胞内部のDNAの変化によって保存されるのでしょうが、前に述べたように脳神経もシナプスも、アポトーシスによって更新されます。この際そこに蓄えられている記憶はどうなるのでしょうか。それは記憶の信号が転写されるであろうということです。

転写の正確さや速度は人によって違うでしょうが、かなり不正確なのではない

かと思います。転写をくりかえすうちに記憶はおぼろになってゆきます。

自閉症者の神経細胞のアポトーシスによる更新が遅いことは、記憶が良いということになりますが、記憶にとっては果たして有利なことなのでしょうか。転

写がゆっくりであることはほんとうによいことなのでしょうか。あるいは私たちは記憶の良いことにとらわれて、過剰な判断を下しているのかもしれません。

 自閉症者の特異能力についても考えてみる必要があります。著名な自閉症スペクトラム者の伝記を見ても、その能力は若いうちに発揮され、加齢とともに衰えがみられることは周知のことです。

年齢が進んでくれば、何らかのサポートが必要になるのではないでしょうか。

 しかし、期間は限られていても、記憶や思考の流れが一般人をはるかに凌駕するということはすばらしいことだとおもいます。

・自閉症者の個性とその対策

 これまでいろいろのことを書いてきましたが、自閉症者がみな同じ気質、性格を持っているわけではありません。障害の重さ,性向、など様々です

これまでに記載したことが育ててゆく上で一番の根拠になるのですが、それだけでうまくゆくわけではありません。自閉症に加えて、先天的な気質とくに親から受け継いだ気質にも考慮する必要があります。とくに興奮しやすい気質を持っていると対応が難しいものです。

医師、特に児童精神科医、自閉症児をよく見ている心理士、自閉症のお母さん、通所センターの職員、特別支援の学校の先生などにも相談するのもよいことで

す。興奮しやすい子供も問題ですが、逆に反応の乏しい子も問題です。何もできないまま年齢だけ進んでゆきます。少なくとも身辺処理くらいできるようにしないとなりません。

 

  自閉症児への実際の対応

ある自閉症児者が突然現れたとしたら、これまでに挙げられた種々の難点をこなしてゆけばそれですべて良しというわけにはゆきません。

自閉症という障害を持っていたとして、その対策だけでOKというにはあまりにも個々の自閉症者の在り方は多様です。生まれつきの、あるいは生活の中で作られてしまった個性があり、それらにも直面せざるを得ません。

近隣の人との関係など解決が全くできないような問題もあります。

そのような問題に直面した時、それを解決まではゆかないにしても、方向付けをして、何とか形をつけて、今後の改善に向けて出発できるように工夫することが大切です。

また、保育機関、サポ―ト・サービス、教育機関などとの連携も大切です。

あまりにも手が出ないようなときには、行政機関―市や県の障害福祉課や児童相談所とも連携することが必要なことがあります。



                      
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   非常勤医師紹介
 



  
 土屋医師 第3水曜日   小児科一般、こどもの神経
 中山(智)医師  火曜日午前、第1,3土曜日午前  小児科一般、こどもの神経
 中山(尚)医師  月曜日、金曜日 一日  小児科一般、こどもの神経
 久場川伸医師  第1,2水曜日AM、第2,4土曜日AM  小児科一般、こどもの神経
小児科一般、こどもの神経
飯塚医師 第2,4水曜日PM,第1,3土曜日PM 小児科一般、こどもの神経
渡慶次医師 土曜日AM隔週 小児科一般、こどもの神経
四津医師 土曜日AM隔週 小児科一般、こどもの神経



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各科より
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     受付

★ 受付では各種ご予約・お問い合わせをお電話・窓口にて承っております


   
 U 指定の用紙がある各種診断書はお問い合わせ下さい。

  
障害者年金診断書    
  特別障害者手当診断書
  特別児童扶養手当診断書
  障害者手帳用診断書
  就学用医師診断記録
  
精神保健福祉手帳用診断書 など

 これらの診断書は脳波・MRI・知能検査等が必要となる場合が多いので、
 必ず事前にお問い合わせ及びご予約願います。

  その他、受付では患者様お一人お一人のケースに合わせまして、
  応対させて頂いております。 どうぞお気軽にお問い合わせください。




 

   看護科

 当院は小児内科以外にてんかん、チック症、発達障害等小児神経の診療を行っております。
このため小児科の年齢を超えた成人の患者様も継続して治療を受けられます。

患者様の中には騒いだり、暴れてしまうなど待つのが苦手な方も居られますが、そのような場合は看護師にご相談下さい。車の中・別室などでお待ち頂けるよう配慮いたします。

 
感染性の病気(発疹、耳の下、頬の腫れ、下痢、嘔吐等)疑われる患者様は受付の際にお申し出下さい。
感染予防の為、他の患者様とは別にお待ち頂き診察致します。


 
ひどく具合の悪い方は看護師にお声かけ下さい。ベッドに休んでお待ち頂くか、必要に応じ早めに診察するように致します。

 
処置室―血液検査・尿検査・吸入・吸引・点滴などを行います。
   インフルエンザ・溶連菌・アデノウィルス・ロタウィルス等の迅速検査も行っております。
   ※ 乳児健診、三才児及び小中学校の第三次尿精密検査は行っておりません。


 
予防接種:予約制・・・来院又は電話にて予約をお受けします。
         接種日:火曜日、水曜日、土曜日
         (都合により予約をお受けできない日もございます。)


 
ワクチンの種類:ヒブ・小児肺炎球菌・DPT(三種混合)・DPT‐IPV(四種混合)・不活化ポリオ・BCG・MR(麻疹、風疹混合)・日本脳炎・水痘・おたふくかぜ・DT(二種混合)・子宮頚癌・インフルエンザ

   ※ 麻疹単独・風疹単独・B型肝炎はご相談下さい。

 
予防接種をお受けになる際には、予診票・母子手帳をご持参下さい。
   柏市、流山市、市川市の予防接種も当院で受けられます。





  臨床検査科
      

脳波検査について

 脳波検査は、始めに頭部をアルコール綿で拭き、頭に20個位、耳や手にペーストをつけて電極をそれぞれに接着します。これら全てがつけられないと眠ってからの検査になります。又、1歳未満の方は、電極の数、位置が違い、顔にもつけることになりますので、深い眠りに入ってないと困難になります。

 電極をつけている時に良く聞かれることは、電極から電気が出ると思われる為か“痛い?”、“ビリビリする?”と言う事ですが、簡単にいうと脳波検査は、頭部から発生している電位を電極を通して拾い、機器を通して増幅し、波として表わしているだけですので、電極から何か出ることはありません。ですから痛いことはありません。

全てつけ終わったら検査が始まります。
当院で行っている事は、安静覚醒時、開閉眼、過呼吸(
3分間)、閃光刺激、睡眠脳波です。順番は、その時の患者様の状態により違います。

  安静覚醒時
    目を閉じてリラックスしている状態をとります。

  開閉眼  
    開眼から閉眼する時に?波が抑制されるかの確認。また、閉眼直後に異常波が出ることがある為。

  過呼吸(Hyperventilation
    出来るだけ閉眼で一定のリズムで3分間深呼吸を行ってもらう検査です。
    年齢に応じた波が出現するかの確認。また、異常波が出現するてんかんがある為。

  閃光刺激(Photic stimuiation
    眼前15〜30cmの所にストロボスコープをセットし、周波数が違う光を繰り返し光らせる検査です。
    断続的な光を与え続けると異常波が誘発されることがあります。その時には、色眼鏡を使用し    て検査することもあります。

  睡眠脳波

 眠っている時にけいれん発作が起こりやすいこと、また、覚醒時に見られなかった異常波が睡眠中に出やすいことから出来るだけ検査するようにしています。一番良いのは自然に眠れる事ですが、どうしても眠れない場合(または起きている時に電極がつけられない場合も)睡眠導入剤を使用することがあります。これは人により効き方が違い、1回で眠る人もいれば、2回、3回使用しても眠れない人がいます。又、時に興奮して暴れたり、ふらふらになる人もいます。ですから脳波検査をする時は出来るだけ寝不足にして来院されることをお勧めしています。



  放射線科

 放射線Q&A   
Q1:
どうしてエックス線検査をするのですか? 

A1:エックス線検査によって体の状態や病気についての大切な情報を得ることができます。しかし、エックス線に被ばくするため人体にとって危険な検査と思われています。検査には利益と不利益を伴いますが、不利益よりも得られる利益の方がはるかに上回っています。

Q
2:エックス検査の放射線量はどれくらいなの? 

A
2:私たちの生活環境の中には、空気中、大地や住居、宇宙、私たち自身の体や食べ物などから放出される放射線を常に浴び続けています。これらの放射線を「自然放射線」と呼んでいます。これは、避けることが出来ませんが、この自然放射線による健康への影響は報告されていません。それ以外に、人工的に作り出した放射線を「人工放射線」と呼び、医療用の放射線もそのひとつです。胸部エックス線写真1枚の放射線量は、1年間に浴びる世界平均の自然放射線量より低いものです。通常の検査で用いられる放射線量は、微量のため健康に害を起こすことはありません。


Q
3:病院に行くたびにエックス線検査をします。何度も放射線を浴びて体への影響が心配です。大丈夫?

A3:体への影響はまずありません。心配なさらないでください。
通常のエックス線検査レベルでは放射線の量は少ないので、白血病やガンになる確率は極めて低いといえますし、エックス線検査を受けなくても白血病やガンになる可能性がありますので一概に放射線が原因とは言い切れません。また、病気や症状によって何回も同じ検査をしなければならない場合もありますが、放射線は体に蓄積されることはありませんし、その影響が遺伝することも無いと言われております。どうぞ安心して検査を受けてください。


Q4
妊娠しているかもしれないのにエックス線検査を受けたのですが、大丈夫でしょうか?

A4:胸部エックス線検査、胃のバリウム検査を含めて胎児への影響が考えられる放射線量を浴びる事はないので心配いりません。頭部CTや胸部CTに関しても同様です。骨盤のCTの場合、子宮に直接浴びますが胎児に影響はありません。放射線を全く受けない状態でも、形態異常が発生する確率は3パーセントほどあります。検査の放射線量でこの3パーセントが揺らぐことはほぼありません。しかし、我々から場合によっては検査をお断りすることもあります。ご心配なときには、どのようなことでも我々にご相談ください。 

FCR(富士コンピューテッドラジオグラフィ)  
X線画像の検出媒体にフィルムに変わってイメージングプレート(IP)を使用し、IPに蓄積されたX線画像情報をデジタル化します。撮影装置にIP(イメージングプレート)をセットして撮影し、そのIPを画像読み取り装置に挿入することにより、デジタル化された画像として電子カルテで見ることができ、またフィルムに出力します。デジタルデータなので大量に保存することもでき、過去画像の参照もできます。

   MRI
騒音  :画像を得るために強力な磁場の極性を周期的に変化させる時にその磁場の変化により、装置自身が周期的に歪むのがあの騒音の元です。

騒音レベルの代表例
会話不可能  120dB 航空機のエンジン近く、騒音の激しい地下鉄の駅
          110dB 工場サイレンの近く
          100dB 列車が通過する時の高架下、地下鉄車内、電車の駅
           90dB 機械作業場、空調機械室、印刷工場内
会話困難    80dB 交差点、マーケット、国道
          70dB 劇場、百貨店、銀行のロビー、騒がしい事務所
会話可能    60dB レストラン、商店、会話,都市周辺住宅地、事務所内
          50dB 劇場、映画館の観客のざわめき
         40dB 一般の住宅(平均値)、静かな住宅地
          30dB 郊外、ラジオ放送スタジオ
          20dB 木の葉がすれ合う音
         10dB ささやき声  

 MRI検査のとき発生する騒音レベルは、もっともうるさいEPI法撮像で115dB(A)前後にも達します。 この騒音レベルは、飛行機離着陸直下の騒音に匹敵する大音響です。聴覚への影響も予想され、IECでは時間平均で99 dB(A)を越える音圧レベルの場合は、耳栓などの聴覚保護手段が必要であるとの安全基準を設定(1995年)しています。

騒音発生のメカニズム
 超電導MRIシステムの架台は外側に静磁場磁石があり、その内部に筒状の傾斜磁場コイルという構造になっています。 静磁場内にある傾斜磁場コイルに、傾斜磁場電源から電流が流れると、フレミングの左手の法則により、コイル内の線材がローレンツ力を受け、その電流が断続的にON/OFFすることにより、振動となって傾斜磁場コイル全体が大きな音を出します。
傾斜磁場コイルで発生した振動の伝播経路は、空気振動伝播と固体振動伝播の二つがあります。 空気振動伝播は空気を媒体に振動が伝わるもので、傾斜磁場コイルに接している空気が振動し、架台カバーをはじめ近接する様々な部品に振動を伝え、音を発生させます。人間の耳に達している音も、空気振動伝播により鼓膜が振動して、音として認識されます。固体振動伝播は傾斜磁場コイルに直接接している物質が振動を伝えるもので、支持部品を介して静磁場磁石に伝播し、静磁場磁石そのものが大きく振動して二次的な騒音発生の要因になります。

PianissimoTMの原理
 振動はいったん発生源から伝わると、その伝播経路は複雑に絡み合います。 空気振動伝播は、傾斜磁場コイルそのものを密閉容器で覆い、内部の空間を真空ポンプにより低圧力状態に保つ方法で、空気による伝播経路を絶ちます。 固体振動伝播は、静磁場磁石への伝播を防ぐため、傾斜磁場コイルを直接床から支持し、静磁場磁石からは完全に独立させるという方法で、傾斜磁場コイルの伝播経路を絶ちます。 支持系のベース部分に質量を持たせ、振動によるエネルギーを吸収させることで、床に伝わる振動を低減しています。 この振動発生源である傾斜磁場コイルからの二つの伝播経路をシャットアウトしたのが静音化技術PianissimoTMです。独立支持の場合,真空度にほぼ比例するかたちで騒音レベルも低減し, 約24 dBの低減量を示し、トータルで約33 dBの騒音低減効果が得られます(検査時60〜80dB)。これは聴感で約1/10に相当します。

騒音レベルは、いずれの条件でも耳栓が必要とされている99 dB(A)をはるかに下回り、耳栓がない状態でも大きな騒音にさらされることはなく、患者はリラックスした状態で検査を受けることができ,心拍も安定すると思われます。いきなり大きな音がして反射的に動いてしまうことも少なくなれば、動きによる画質の劣化が生ずる可能性も減らすことができます。乳幼児などの撮像時は、通常眠剤を使用し眠らせて撮像を行うため、騒音レベルが低ければその量も最小限にすることもできます。動きによる画質劣化防止と、眠剤投与による副作用(リスク)の低減も期待できます。

  体動補正技術 : JET

患者さんの動きによるアーチファクトを低減するもので、MRIの検査は検査中静止しておくことが必要なため、静止が困難な小児や高齢者、安静下においても動いてしまう腹部や骨盤、肩関節などの検査も、できるだけ動きを抑制する工夫が必要でしたが、これによって安静できずに検査不可能となっていた患者さんや、呼吸によって動く臓器でも動きの影響を抑えた画像を得ることができます。また、体動によって画像が劣化した際に行われていた撮り直しも少なくなります。JETは、k-spaceのデータ収集空間をNon-Cartesian(非直交)に埋めてゆく撮像法です。JETによって、意識なく不随意運動してしまう患者さんでも検査をすることができます。検査中に患者さんが動かれても,JETであれば安心です。






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てんかんについて

リストマーク 日常生活について  
   生活のあり方について
検査について
発作を起こしたときの処置について
予防接種について
精神指導 その1
精神指導 その2
頭を打ったときの注意
                                


   生 活 の あ り 方 に つ い て

 
・ できるだけ規則正しい生活をして下さい。運動や学習を十分して下さい。
 ・ 過労、睡眠不足にならないように気を付けて下さい。
 ・ お酒は飲まないで下さい。アルコールは脳に刺激的に働きますので、
   発作が収まっている人でもアルコールを飲 むと発作を起こします。
 ・ 光に過敏と言われた人は、テレビを1時間以上見ないように、
   また見るときはよく調整したテレビを明るい部屋で 2メートル以上離れて見て下さい。

 ・ 一人で風呂やトイレに入るときは、鍵をかけないで下さい。或いはシャワーだけで済ませるなど考えて下さい。
 ・ 自動車の運転については、運転中に発作を起こすと危険ですので、
   発作が起こる可能性がある人は運転をしな いで下さい。
 ・ 水泳は発作のある人にもよい運動ですが、度々発作がある人でプールの中で発作が起こる人については
   十分な監視が必要です。発作が連続して起こる人は付き添いをつける必要があります。
   発作がコントロールされている人は普通に泳いで差し支えありません。
   しかし海や川で泳ぐときは、休憩するときに水辺から十分離れているよう にする必要があります。
 ・ 潜水スポーツや岩登りは少しの気の緩みでも事故につながりますので、やらないほうがよいと思います


   検 査 に つ い て

 1.脳波検査 
脳のいろいろな病気の診断に使いますが、特にてんかんの診断、病型の判断、治療方針の策定、経過の観察、予後の判定などに有効です。とても役立ちますが万能ではありません。何ら異常のない人で脳波検査をして、てんかん波が見られる事が数パーセントありますが、その大部分はてんかんではありません。またてんかん発作のある人でも脳波検査をして正常脳波であることも時にあります。脳波が正常でもてんかん発作があればてんかんです。この場合、病型の判断に役立ちます。脳波は発作の収まっている人で普通6ヶ月に1回、まだ止まらない人はもっと短い間隔で検査をします。脳波検査の前日は頭髪をよく洗い、整髪油をつけないで、また当日はすぐに眠れるように睡眠不足の状態で来て下さい。

 2.血液検査 
滅多に無い事ですが、薬の副作用がないかどうか、肝機能障害、貧血の有無などのチェックが必要ですので検査を受けてください。

 3.CT検査 
脳に腫瘍ができてはいないか、脳血管が破れたり(脳出血)、つまったりしてはいないか、脳奇形がないか、けいれんのために脳が損傷を受けたりしていないかなどを見るための検査です。特に脳の中に石灰化があるときや骨折を検出するのに優れています。3Dで観察します。

 4.MRI検査 磁気共鳴画像診断装置
強力な磁石でできた筒の中に入り、磁気の力を利用して体の構造を診る検査です。
色々な病巣を見れますが、特に脳や脊椎、関節、腎臓、骨盤内に優れた描出能をもちます。
血管や病気の早期発見に有用です。

検査上の注意点は
@検査時間は15〜45分です。
A検査中は工事中のような色々な機械音がします。
B体の中に金属類が装着されている方は検査ができないことがあります。
 (心臓ペースメーカー、人工内耳、ステント置換術、脳動脈クリップなど)
C妊娠3ヶ月以内(妊娠が疑わしい時)
D体中に刺青がある方や化粧品(磁性体が含まれているもの−アイライン、アイシャドウ、ラメなど)は注意です。

 5.薬剤血中濃度測定 
薬がよく効いているか、多すぎたりしていないかを知るために必要に応じて検査をします



  発 作 を 起 こ し た と き の 処 置 に つ い て

発作が起きたときは安全な場所に静かに寝かせて、吐いたものが気管の方に吸引されないようにして下さい。  可能であれば、顔は横に向けてください。ボタンやベルトは弛めて下さい。
2.発作の様子、例えばけいれんしているのは全身か、半身か、あるいは身体の一部分のみか、目はどちらに寄っていたか、意識は保たれていたか、熱はなかったかなど、よく観察しておいて下さい。
3.発作が15分以上も続くとき、あるいは発作の持続時間は短くても何回も繰り返し発作が起こる場合は、すぐ救   急車を呼んでください。
4.発作を起こしたとき、指や棒や布切れを口の中に入れないで下さい。とても危険です。
5.発作が止まって、すぐ気持ちよく目覚めたら普通に起きて動いて差し支えありません。しかし、頭痛や吐き気が  あるときには、寝かせておいたほうがよいでしょう。頭痛が収まってから動いてください。
6. 発作が止まった後、一見普通に動いていても意識が失われていることがあります。姓名や住所など質問して応  答がおかしいようだったら室外に出さないでおいて下さい。
7.発作止めの座薬を持っている人はそれを使ってください。さらに解熱剤の座薬を使うときには、30分後に入れ  て下さい。  

  予防接種について

小児けいれんと予防接種とは本来無関係な事です。予防接種をすることによって病気が悪化したり、発作が増えたりすることが予期されるときには、施行しないのがよいと思います。しかし、予防接種をしないため感染症にかかり高熱を出してひきつけることもあります。双方の事柄をよく考えて、予防接種をすることを決めます
1.本当に必要な予防接種だけするようにして下さい。この点は医師に相談して下さい。
2.以前に予防接種をしたとき強い反応があった人、風邪をひいた位のことで高熱を出して意識を失ったり、蒼白になって何回も吐いたことのある人、先天性免疫不全の診断を受けている人などでは慎重な予防接種が必要です。分からないときは医師に相談して下さい。
3.発作のある人や障害のある人でも積極的に予防接種を受けるようにして下さい。体調の良いときを選んで慎重に(例えば、医師のほうでは注射量を減らす事などを考えます)接種します。
4.ポリオワクチンは個別接種がまだできません。免疫不全の高度な人を除いて、保健所の定期接種を受けてください。
5.発作が薬で止められていて、健康な人は普通の集団接種を受けてよいと思います。それ以外の人は病院や診療所で個別に予防接種をしてもらうことになります。



    精 神 指 導 そ の 1

1.てんかん児の性格特徴 :良いほうは直感的思考に優れている、優しい、ずるいことをしない、細かい事によく気がつくなどです。困るほうは落ち着きがない、飽きやすい、運動の巧緻性が低いなどです。
2.てんかん児の得意な学科 : 算数、理科(男児)、国語(女児)
         不得意な学科 : 社会、国語(男児)、理科(女児)
ですが、これは一般的な話で、必ずそうなっているわけではなく、個性が最優先します。
3.てんかん児は治療を開始するとしばしばチックを起こす事があります。子供の顔を見すぎるとそのようになりますので、注意して下さい。あまり神経質になることはありません。つい気になって子供に干渉する事を止めればすぐに直ります。  
4.学校や幼稚園では落ち着きがないので、しつけが悪い と思われる事があります。予め先生に性質を(必ずしもてんかんと言う必要はありません。話しておくとよいでしょ う。10歳くらいになると自然に落ち着くようになります。
5.学校や幼稚園にてんかんであることを話すかどうかは状況によります。一般に発作が治療で止まっていれば、 なにも言わないのが普通です。何も問題がないのに言うと担任に精神的負担をかけるだけになります。
6.学校に病気のことについて言わなければならないのは、学校で発作が起こり何か処置を必要とする場合とか、 学校で薬を飲ませてもらいたいときですが、なるべく教育以外の事では学校を煩わせないほうがよいと思います。
7.飽きやすい性質を直すには子供が何かやりたがっているときに途中で止めないと約束してやらせるのがよいと 思います。塾でも、算盤でも、習字でも、スイミングでもよいと思います。
8.飽きやすい性質を直すもう1つの方法は、例えば学校から帰ってきたら10分でもよいから机に向かう習慣をつ けることです。何を思い出しても決して席を立たないようにします。この場合、できたら何かご褒美をあげることが 必要です。
9.子供が喜ぶものは何でもご褒美になります。お菓子、お金、お母さんの笑顔、できたという達成感、どれでもよ  いのですが直ぐに与える必要があり、後でというのは効きめが薄いものです。
10.不得意なところをこのように矯正するのもときによってはよいのですが、得意なところを伸ばしてやったり、或いはおだてて得意なところを作ってやるのも良い方法と思います。 


  精 神 指 導 そ の 2

.てんかん発作はぼんやりしているときに起こりやすいものです。ですからいつも生き生きと暮らすようにしたいも のです。ジュリアス・シーザーは宮殿の中では暮らさず、野戦テントの中で寝起きしたという事ですが、それは発  作が緊張感のあるときには起こりにくいと知っていたからだということです。
2.充実した生活をするにはいろいろな工夫が要ります。日課を立てること、毎日軽い運動をすること、先のことを考えながら現在することを決め実行すること、気が腐る ときには害のない鬱憤ばらしをすることなどです。
3.てんかんの患者さんは神経が敏感ですから、1つのことが気になって頭から離れなくなることがあります。また  自分の毛を抜くとか爪を噛むなどの症状を見せることがあります。このような症状を強迫症状と言います。医師に 相談すると良いでしょう。不安を除いたり、こだわりを取り去る薬が使われます。
4.どの病気でもそうですが、病気になると不安になります。また発作が起こるのではないかという不安は、しばしば 発作が起こったように思うことがあります。傍から見ていると、また自分自身でも全く発作のように見えます。この ことを仮性発作といいます。理由がないのに発作が増えるようなら仮性発作を考える必要があります。      


   頭を打った時の注意

・ 二階から落下したり、車にはねられたりして頭を強く打ったときには硬膜外血腫、あるいは脳挫傷などが起こる ことがあります。また転んで頭を打った位でも稀に硬膜下血腫ができることがあります。
・ 頭の中に出血などが起き ている場合は、頭を打った直後に症状が出やすく、症状がなくて時間が経つほど、そ ういう心配は小さくなってい ます。しかし、まれに頭蓋内出血(頭の中の出血)の症状は頭を打った直後でなく、  少し遅れて出現することもあり ますので、念のため次の点に注意して下さい。もし、次の項目に当てはまるか、  または疑わしいと思われる時は、 前に受診した病院か或いは当院へご連絡下さい。
1 頭痛が続き、だんだんひどくなるとき
2 意識がなくなったり、放っておくとすぐにも眠ってしまい、起こしてもなかなか起きてこないとき
3 何回も吐いたとき
4 元気がなく、一日中ごろごろしているとき
5 手足の使い方が以前に比べて悪かったり、歩行がよろめいたりするとき
6 話し方がおそく不明瞭になったり、または話しができなくなったとき
7 物が二つに見えると訴えたり、両目の動きが変だと感じたとき
8 けいれんを起こしたとき特に乳幼児では症状が出にくいことが多いので、たとえ元気にしていても2〜3日は目を 離さないことが大切です。また頭を打った後、少なくとも1〜2日は安静にして、入浴したり一人で外出したりしな  いように注意してください。